2020年6月29日付

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うちの田んぼにもいましたよ―。大発生は豊年の前兆ともいわれるホウネンエビの目撃情報が、茅野市の農家からも寄せられた。元信州大学農学部教授の建石繁明さんが、伊那市内の田んぼで捕獲したことを紙面で話題にしたばかりだった▼子どもの頃から田んぼに入っているベテラン農家でも見るのは初めてだったようで、「田んぼの水面が動くぐらいたくさんいてびっくりした」とのこと。害虫ではないかと心配になったのだろう。インターネットで検索し、ホウネンエビにたどりついたそうだ。「いい名前だし、うれしくなった」と話していた▼黒い目玉と、二つに分かれた尻尾の先の朱色が目立つ2センチほどの生き物で、あおむけに泳ぐ。土の中で眠っていた卵が水を吸収し、環境が整うとふ化する。田植えの後、突然大発生したかのような印象を受けるのはこのためだ。寿命は短く、産卵を終えると一斉に姿を消してしまう▼豊作を予感させる呼び名を持つぐらいだ。気になって調べてみると、弊紙では12年前に一度、ホウネンエビの捕獲が報じられていた。この年のコメの全国作況指数は102。7年ぶりに「やや良」の豊作だったから、今年もひょっとしたら…である▼ベテランの農家が「機械化で立ち仕事が増え、田んぼの中を見ることが少なくなっていたのかも」と反省していた。吉報に気付けば、やる気も出る。たまには足元を見るのもいい。

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