「富岳」に冷却装置の部品供給 岡谷の寿精工

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寿精工が加工した「富岳」の冷却装置の部品

理化学研究所や富士通などが開発したスーパーコンピューター「富岳」(神戸市)に、精密切削加工の寿精工(岡谷市長地梨久保)が冷却装置の部品を供給した。計算速度ランキングで世界1位を獲得した話題のスパコン。木村健司社長(71)は「世界一のスパコンに携わった経験を今後に生かしたい」と先を見据えている。

富岳は、スパコン「京」の後継機として2014年に開発を開始し、21年の本格運用を目指している。高度な計算能力を生かし幅広い分野での活用が期待され、新型コロナウイルス感染症対策研究への利用が先行的に始まっている。

寿精工が受注したのは、CPU(中央演算装置)やメモリーなどの発熱体を冷やす冷却装置のパイプの接合部分の部品。ステンレス製で長さ15センチ、直径8センチ、重さ1.5キロ。5軸マシニングセンタによる切削加工で、1000分の1ミリ単位の精度で管理した。

内部を冷却水が流れることから「液漏れが許されない部品」(木村社長)。ステンレスはさびにくく耐久性が高いが、薄肉加工のため熱変形しやすく管理が難しい材質。直径の真円度、面の平たん度の精度を高める加工に、同社の技術を生かしたという。

取引先である東京の総合商社から話を受け、19年1月から生産を開始。今年1月までに2000セット、部品にして1万4000個を加工した。

木村社長は「部品にトラブルがあれば計算が止まってしまうので責任重大。スムーズな動作ができるよう完璧に加工した」と評価。「今後の可能性が大きいスパコンのチームに加わることができたのは社員一同の喜び。経験を生かし、さらに皆さんの役に立ちたい」と抱負を話した。

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