落石防護柵が完成 伊那市栗ノ木立川で説明会

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6月に完成した落石防護柵=伊那市高遠町荊口の栗ノ木立川下流

国土交通省天竜川上流河川事務所が県と連携し、伊那市高遠町荊口の天竜川水系栗ノ木立川の下流で建設していた砂防施設が完成し、同事務所は2日、現地で報道機関向けの説明会を開いた。完成した落石防護柵について建設経緯や有効性を説明した。

栗ノ木立川では2018年の台風21、24号の影響で上流ののり面が崩落する被害が起きた。今年4月、市が崩落範囲が広がっていることを新たに確認。市は安全対策を求める地元住民の声を受け、同事務所に対策を要望した。

砂防施設には従来のコンクリートの堰堤ではなく、14年に広島県で起きた大規模な土砂災害以降、広く用いられるようになったリングネット工法の防護柵を採用した。同工法の採用は同省事業では県内5例目。同事務所管内では初となる。柵はリング状の金網と、金網をつり上げるサポートロープが土砂をせき止め、土石流の運動エネルギーを吸収する構造。幅15メートル、高さ5.5メートル。

説明会で同事務所の大森秀人副所長(58)は「栗ノ木立川と山室川の合流地点に土砂がたまり、山室川が氾濫した場合は山室川沿いの民家が巻き込まれる」と想定被害を紹介。「リングネットは時速20キロの土石流を2400立方メートルまで止めることができる」とその有効性を説いた。

防護柵は崩落地点から約1キロ下流に設置。今後は崩壊の拡大をリアルタイムで確認できるセンサーを上流に置くほか、柵近くの堰堤にたまった土砂を取り除く作業を引き続き行う。同事務所三峰川砂防出張所の佐藤康晴所長(44)は「対策することで地元の皆さんに少しでも安心してもらいたい」と話した。

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