2016年08月02日付

LINEで送る
Pocket

日本アイバンク協会が、角膜移植医療や献眼活動の推進に貢献があった個人や団体を表彰する今泉賞に、県内で初めて茅野市湖東の内科医、前島辰弘さん(88)が選ばれた。前島さんは以前、献眼運動を展開するライオンズクラブ(LC)の茅野LC会員としてこの活動に関わり、眼球の摘出手術にも携わっていた▼受賞の取材で話を聞くと、献眼運動が始まった当時を振り返って「人の心が優しい時代だった」と話した。このときは、献眼者や移植を受ける側の人の気持ちが変わってきたという指摘かな、と思った▼それで「献眼がそれだけ普及し、当たり前になってきたという面もあるのでしょうか」と聞くと、「そういうこともあるかもしれない…」という返事。後になって、これが見当違いな問い掛けだったと気が付いた▼茅野LCとの意見交換の場でのこと。クラブの活動が紹介され、献眼で摘出した眼球を医療機関に届けるときの苦労が話題になった。献眼活動をする団体は眼球の搬送を運送業者に依頼するが普通になっているが、茅野LCは今も専用車を出してクラブ役員らが随行する。眼球を入れた容器は風呂敷に包み丁重に扱うのが流儀だとも▼この話を聞いて、前島さんの言わんとしていたことがようやく理解できた。希望の光をつなぐために自分の体の一部をささげようという尊い気持ちに、どう応えているかを問い掛けている言葉だった。

おすすめ情報

PAGE TOP