2020年7月7日付

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飯田市上郷飯沼北条。JR東海が総事業費約5・5兆円を投じ、東京・品川―名古屋間(286キロ)を最速40分で結ぶリニア中央新幹線の長野県駅建設を計画する地区だ。駅はパチンコ店やガソリンスタンド、自動車販売店、住宅、農地がある国道153号の西側に計画。総面積約3・5ヘクタールの敷地に延長約1キロ、最大幅約50メートルの規模になる▼飯田市によると、リニア本線や駅周辺整備(6・5ヘクタール)、道路整備など一連の工事で移転対象になる世帯数は、上郷に隣接する座光寺を含めて約200戸。私は上郷に暮らし、移転する人のさまざまな声を聞く▼「地元の古参が移転先では新参者」「子どもは独立して帰郷予定がないのに(老夫婦だけで)これから家を建てても仕方ない」…。今までの暮らしが変化することへの抵抗感があり、住民感情は複雑だ▼市は地元の要望を受け「移転先の選択肢に」と国道の東側へ宅地計73戸分の造成を急ぐ。要望は移転によりバラバラになるコミュニティー崩壊を不安視した住民の気持ちの現れでもある。本線予定地では、すでに用地交渉が成立した若い世代が住んでいた新築住宅が解体される一方で、「強制執行まで動かない」と決意し、交渉のテーブルに着かない人もいる▼移転対象者からすれば計画は人生を大きく左右する一大事。リニアに関する問題は静岡に限らない。一つひとつの問題にきめ細やかな対応がいる。

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