温泉熱発電、実証実験へ 諏訪市が今月末開始

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温泉熱発電の実証実験に向けて「あやめ源湯」に設置されたマイクロ廃熱発電システム(写真中央)

諏訪市は、同市湖岸通りの温泉源湯「あやめ源湯」で行う温泉熱発電の実証実験を、早ければ今月末にも開始する予定だ。高温で豊富な湧出量を誇る上諏訪温泉の特長を生かし、再生可能エネルギーの活用を促進する試み。安定した発電量や費用対効果が確認できれば本格導入を検討し、温泉料金の値下げなどで給湯契約者に還元し、契約件数の減少に歯止めをかけたい考えだ。

市などは2016年度から、経済産業省の地熱開発理解促進関連事業補助金の採択を受けて学習会や先進地視察を進めていた。あやめ源湯は諏訪警察署隣の諏訪湖畔にあり、湧出温度が約88度と高温で74度での配湯が可能。この高温と豊富な湧出量から実証実験の適地と判断した。

温泉熱発電機の開発などを手掛ける5社から提案を受け、ヤンマーエネルギーシステム(大阪市)の「マイクロ廃熱発電システム」(幅2メートル、高さ1.65メートル、奥行き80センチ)を採用。当初は3~4月の実験開始を予定したが、発電機の改良などで納入が遅れ、6月末の設置となった。配管工事を終え、最終点検を経て実証実験を始める。

同システムは温泉の熱から電気を生み出す。沸点が低い媒体を温泉で加熱し、発生する蒸気でタービンを回す「バイナリー発電」を行う。タービンを回した蒸気は冷却して液体に戻す。実証実験の期間は1年間で、温泉の湯量や温度、発電量の推移を確認し、機械の性能や費用対効果を検証する。また通常の配湯に影響がないか調べる。実証実験の費用は約1500万円。

実証実験では売電をせず、発電した電力は温泉や冷却水を循環するポンプなどに使う計画だ。発電量と費用対効果が確認できた場合、国の再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用し、発電した電力を中部電力に売電する。売電収入は発電機1台当たり約160万円を見込む。

市水道局は「費用対効果に配慮しながら、恵まれた温泉を自然エネルギーとして活用できれば」と話す。同市では高齢者の経済的負担や若い世代の温泉離れなどから、温泉一般給湯の契約件数が減少傾向にある。市は「(温泉熱発電で)少しでも負担軽減を図れたら」と期待している。

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