諏訪市文化センター改修 検討資料作成へ

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諏訪市が耐震改修と機能向上の検討に着手した市文化センター

諏訪市は今年度、市文化センター(湖岸通り5)の改修に向けた検討資料を作成する。国登録有形文化財である建物の意匠や価値を維持しながら、老朽化した施設の耐震化と利便性や機能の向上を図る改修工事の在り方を検討する。市は「今後も使っていただくために必要な改修を明確にし、できるだけ早く着工したい」としている。

文化センターは1962年、北澤工業(後の東洋バルヴ)の福利厚生施設「北澤会館」として完成し、77年に諏訪市に移管された。鉄筋コンクリート造3階建て(延べ床面積3676平方メートル)で、904席のホール、三つの集会室を備えている。

設計は近代数寄屋建築の創始者で建築家の吉田五十八(1894~1974年)。入り母屋造り風の屋根や、千本格子風の装飾を施した外壁、社寺建築で屋根の裏面を支える垂木を重ねたようなホワイエの天井など、和の豪華さと雅を感じさせるデザインで、大緞帳の原画は日本画の巨匠、東山魁夷と杉山寧が手掛けた。後進に影響を与えた建築家の代表作として、2014年に国登録有形文化財に登録されている。

建物をめぐっては17年度、JR上諏訪駅周辺の将来構想を考える市の「駅周辺市街地あり方検討会」で、ものづくりの象徴的な建造物であることも考慮し、存続する方針が決定した。その後の耐震診断では1階と最上階をはじめ、ホールのつり天井の耐震性に課題が見つかっている。

改修検討資料の作成業務は、660万円でアロー設計(諏訪市)が請け負う。改修工事の規模や期間などを洗い出し、文化財の工事に伴い策定する「保存活用計画」を踏まえ、具体的な工事内容を模索する方針だ。文化センターの機能向上や周辺の生涯学習施設の再編を見据え、エレベーターの新設や老朽化した設備の更新、雨漏り対策、集会室の増設も検討する。

文化センターの年間利用者は延べ15万人。駐車場が広く市街地で使い勝手が良いため、ここ数年は横ばい傾向という。18年度のホール音響調査では、音の残響時間が短いことから「芝居や講演会など言葉をはっきり聞かせる演目に適する」とされた。市は「劇場としての持ち味を大事にしながら、改修の在り方を検討したい」としている。

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