2020年7月19日付

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天気が主題のドラマがあるとしたら、主演俳優は「水」である-。長野市出身のお天気キャスター、故倉嶋厚さんが著書に書いている。天気現象の多くは、水が大気中で水蒸気、液体、固体と三つの姿に絶えず変化することで起こると▼水が状態変化をしながら地球上を移動する。「水蒸気の大循環」というドラマでは、雲が主役として舞台(大気)に現れる。倉嶋さんは、雲は「空の水道」の蛇口であり、この空の水道なしに大半の生物は生きていけないという(「お天気歳時記」チクマ秀版社)▼近年は、空の蛇口が壊れているのかと思うほどの激しい雨に見舞われる。9日に命名された「令和2年7月豪雨」でも九州をはじめ各地で大きな被害が出た。長野県内でも大雨が続き、飯田市では土砂崩落で人命も失われた。雨雲を恨めしく見上げるばかりである▼梅雨明けに向かう時期に、梅雨前線はしつこく日本付近に居座り続けた。気象庁の関田康雄長官も「記憶にない」と言うほどの長期間の停滞である。熊本県では気象庁の予想を大きく超える雨量となり、15日の定例会見で長官は「実力不足だった」とも述べている▼天気予報によると、週明けも県内の空はすっきりしないもよう。長雨で地盤も緩んでいる。警戒は怠れまい。新型コロナウイルスの感染拡大に気をもみ、ただでさえ心がジメジメしているのに。今は太陽が主役を張るドラマが見たい。

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