2020年7月20日付

LINEで送る
Pocket

茅野市蓼科の道の駅「ビーナスライン蓼科湖」に、小さなソフトクリーム屋さんが開店した。八ケ岳中央農業実践大学校の牛乳など、地元素材にこだわったソフトを提供する。19日も大勢の来店客でにぎわった▼昭和の時代に蓼科プール平にあり、文人墨客に愛された「蓼科アイス」の復刻店である。店名ロゴも当時の写真を基に再現した。周囲に溶け込む外観とミルクを連想させる内装が特徴的だが、屋外灯など随所にレトロな雰囲気を取り入れる▼昭和の蓼科アイスは、上諏訪で喫茶店を営んでいた夫妻が夏季を中心に営業した。蓼科を晩年の仕事場にした日本映画界の巨匠小津安二郎、脚本家で盟友の野田高梧が散歩途中に立ち寄った。手元にある資料の写真では夫妻の後方に俳優の笠智衆が立つ▼令和の蓼科アイスを運営するのは、アイスクリーム卸の鎌倉販売店(原村)。3代目の鎌倉功さん(48)は幼少期、父に連れられて夫妻の店をよく訪れていた。知恵の輪で遊んでもらった記憶がある。2人への感謝を胸にいま、看板商品だったアイスキャンデーの復活を目指している▼夫妻に聞くことは叶わず、自身や家族らの記憶が頼りだ。四角ではなく丸い形のアイスが割り箸に付いていたと記憶する。時代を、世代を超えて愛される「蓼科アイス」へ、鎌倉さんの挑戦は始まったばかり。昭和のお店を知る人たちの記憶や証言も大きな力になるはずだ。

おすすめ情報

PAGE TOP