下島空谷の句集「薇(ぜんまい)」が復刻

LINEで送る
Pocket

空谷の句集「薇」の原本(左)と復刻版「ぜんまい」を手にする下島大輔さん

文人医師で俳人の下島空谷(くうこく)(本名・下島勲、1869~1947)の唯一の句集「薇(ぜんまい)」を、空谷のおいで、生家を継ぐ下島大輔さん(82)=駒ケ根市中沢原=が復刻した。わずか200部の限定出版だった句集(1940年刊)を複製し、句集「ぜんまい」として自費出版。昨年行われた空谷生誕150年記念の諸行事を企画した人たちへの感謝の気持ちを形にした。

A5判で、約120センチあった原本をそのまま複製し、巻末に空谷の写真や略歴を添えた。手に取ってもらいやすくするために、「ぜんまい」と空谷の字で記された中扉を表紙カバーに使った。収録している空谷の句は160余句。大輔さんは「空谷は暮らしの中で感じたことをそのまま俳句にしているように思う。空谷の気持ちや交友関係、当時の様子が分かる」と話している。

空谷は現在の駒ケ根市中沢出身で、上京して医師になり、軍医を経て東京田端に開業した。多くの文士、画家らとの交流があり、芥川龍之介の主治医として、その最期をみとった。幼少期に、漂泊の俳人、井上井月と出会っていたこともあり、1921年に芥川の働き掛けを受けて「井月の句集」を出版し、無名の井月を初めて世に出したことでも知られる。

復刻版は300部を印刷。空谷生誕150年の記念行事に関わった人たちに配り、残部は希望者に3000円(税込み、送料込み)で頒布する。

井上井月顕彰会は今秋オンライン開催する「千両千両井月さんまつり」で、空谷を取り上げ、空谷や芥川が井月をどうみていたかを探る予定で、併せて復刻版の購入希望も受け付ける。問い合わせは同顕彰会(電話0265・98・0117)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP