障がい者をリモート支援 働き方広がる可能性

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インターネット会議で利用者と語らう原田理事長

障がい者就労継続支援A型事業所を運営する一般社団法人ぞうさん(本社原村)は、新型コロナウイルス感染防止のため在宅を余儀なくされている利用者の教育プログラムに、インターネット会議でのリモート支援を導入し、利用者のコミュニケーション力向上と相互理解、心身の健康維持などに効果を上げている。社内での応接や店頭での接客が苦手な障がい者が在宅で働く道も開け、「障がい者の社会参加や働き方を多様に広げる可能性も見えてきた」(同社)という。

同社は茅野、富士見町内四つの拠点でレストラン経営やパン、生めんの製造販売などを手掛け、32人の施設利用者と支援員が従事している。

今年4月から店舗の休業、受注減による事業縮小を余儀なくされ、今月から段階的に再開しているものの、利用者は感染防止のため依然、在宅勤務が中心となっている。

この間、支援員が利用者の自宅訪問や電話をかけて健康状態を確認し、在宅でできる作業のサポートをしてきたが、利用者一人にかけられる時間が少なく、十分な支援が出来ずに苦慮。利用者全員の自宅にインターネット環境を構築して携帯端末機を配布し、簡単な操作でインターネット会議に参加できる仕組みを作った。

リモート支援は5月初旬にスタート。毎日午前中の3時間を全員参加の研修として各自宅での活動報告やビジネスマナーの習得、仕事の感想発表、意見交換をし、午後は個別のフォローをしている。

日頃は異なる職場間で利用者同志が話す機会はおろか、顔を合わせたこともない中、リモート会議で交流が実現。利用者からは「初めて対面する人もいて緊張したけれど、楽しく会話できるようになってうれしい」、「普段顔を合わせない部署の人の話が聞けてためになった」などと好評で、中には「苦手だった会話が何とか出来るようになった」と成長にもつながった。

同社の原田健理事長は「タブレット端末に触れたことのない人がほとんどだが、使いこなせるかという心配は杞憂(きゆう)だった」とし、外出自粛の長期化で懸念された利用者の精神的な落ち込みも「顔色も見られるのできめ細かくフォローできる。日常の職場以上の人のつながりが生まれてむしろ活気づいた。電話や訪問など従来方法では保てなかったと思う」と、期待以上の効果を喜ぶ。

さらに、在宅での遠隔就労(リモートワーク)は「障がいや病気で通勤が難しい人にも働く場を提供できる」とし、社会にも多様な障がい者雇用の形が広がれば―と期待を込めている。

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