関係者へ戻ること願う 寄せ書き日の丸を返還

LINEで送る
Pocket

出征した宮坂醸造の関係者の持ち物とみられる「寄せ書き日の丸」

出征した宮坂醸造の関係者の持ち物とみられる「寄せ書き日の丸」

諏訪大社(北島和孝宮司)は2日、太平洋戦争の際、出征する兵士に贈られた「官幣大社諏訪神社」の御朱印が押された寄せ書き入りの日の丸を、持ち主と関わりが深かったとみられる諏訪市元町の宮坂醸造(宮坂直孝社長)へ返還した。出征した本人の名前は記されていないが、諏訪大社の加護と出征者の無事を願って寄せ書きをした40人余りの中に、先々代社長の故・宮坂伊兵衛さんや、現社長の祖父に当たる故・宮坂勝さんら同社関係者の氏名が多く含まれていた。宮坂社長は「何とか本来の持ち主を探し、お返しできたら」と話している。

出征者の多くが肌身につけていた「寄せ書き日の丸」など日本兵の遺留品を、本来の持ち主や遺族へ返還しようと活動する米国の団体「OBON(おぼん)ソサエティ」と国内の神社を通じ、「官幣大社諏訪神社」の御朱印が押された2枚の「寄せ書き日の丸」について諏訪大社に照会があり、心当たりの人を探していた。

宮坂醸造と関わりがあったとみられる出征者が持っていた日の丸は、「兄が戦地から持ち帰った」という米国の91歳の女性の元にあった。向かって右側の白地に「祈 武運長久」の文字と「日本第一大軍神」「官幣大社諏訪神社」の朱印があり、丸い日章を囲んで男女40人余りの氏名が寄せ書きされている。このうちの多くが、当時の同社の経営陣や従業員だった。

一方で、戦後70年が経過した現在では当時の関係者の多くが他界し、存命の人も当時はようやく文字が書けるくらいの子どもの年齢で、現在は高齢。持ち主を調べるには難しさもあるという。宮坂社長は「寄せ書きには、昔お世話になった従業員の方や、一族の名前が連なっていて感慨深い。可能な限り心当たりの人などに尋ねて、本来の持ち主、またはご遺族にお返しできれば」。北島宮司も「何とか関係者のお手元に戻ることを願っています」と思いを込めた。

このほか諏訪大社には、もう1枚別の「寄せ書き日の丸」があり、引き続き心当たりの人の申し出や情報提供を呼び掛けていく。

おすすめ情報

PAGE TOP