2020年7月26日付

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不安定な陽気のせいもあるだろうか。一時期はガラリとしていた医療機関の待合に混雑が戻ってきた。世の中、病を抱えた人がいかに多いかをつくづく思う▼年を取ると世間話も健康や病気のネタが増える。そこでしばしば話題になるのが医療機関の評判だ。大概、地元に対しては評価が辛くて、親切心から「大病院で診てもらった方がいいよ」なんてアドバイスも出る▼医療機関は地域に根差すほど忙しい。医師一人で多くの命を預かり、数カ月先まで予約を埋めて診療に追われている。夜明けとともに始動し、日中は食事を取る間もない。人知れず消灯後の院内で、髪をかきむしりながら治療法を模索する姿もある。看護師らは患者に目配りして駆け回る▼医療は日ごと進展するが、人体の仕組みも病も解明しきれてはおらず、新型ウイルスどころか風邪さえ特効薬がない。常に未知との闘いで、医師らは命懸けでその最前に立つ。患者は、といえばされるがままの思いではあるが、治療とは本来、患者と医師らが協力して有効打を探りながら、小さな成果を一つずつ積み上げる共同作業ではないか▼人間だもの気が合わない相性もあるし、医師や看護師と心通わせ、病へ共闘する意思を固めるのも容易じゃない。それでも患者だって「地元の医療機関を育てるんだ」ぐらいの気概を持ちたい。地域医療の充実も発展も住民の支えあってこそなのだから。

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