多角的に原因調査を 諏訪湖ワカサギ大量死

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諏訪湖の環境改善にかかわる県の有識者会議が3日、諏訪市内であり、諏訪湖のワカサギ大量死問題について、識者は多角的に原因調査をするよう求めた。湖底の貧酸素水が湖面付近の水と混ざり、湖内全体で酸素濃度が低下したとみられているが、「死骸が出始めた頃と、湖面付近までが低酸素化した時期にはズレがある」と疑問点を指摘。溶存酸素量のみならず、他の影響可能性に関しても探るべきだとした。

県側はこの日、現時点で得られている測定値や気象データを基に原因を考察し、委員8人に示した。7月26日の日中の低温と降雨がきっかけとなって湖底付近と湖面付近の水温差がなくなり、「湖底に形成された貧酸素水の塊が湖面付近まで上がり、酸欠を起こしたと考えられる」(環境部)と説明した。

こうした水の混合は「湖の比較的広範囲で、かつ同時的に発生した」(農政部)と推測し、「遊泳能力に優れているワカサギも影響を避けられなかった」とした。

信大山岳科学研究所准教授の宮原裕一委員は、湖心部で研究所が行う溶存酸素量の連続測定では、「7月26日夕から(湖面~湖底の)全体で溶存酸素量が下がり、翌27日朝は特に大きく低下した様子が見受けられた」と報告。ところが、ワカサギの死骸は26日朝から出ており、貧酸素問題に詳しい東大大学院教授の山室真澄委員は「県の考察では説明がつかない点もある」と指摘した。

大量死が起きる前の段階ですでに、上層までの貧酸素化が部分的には起きていた可能性はあるとした上で、宮原委員は湖の高水温が魚に与えたストレスや、化学物質による影響など他の要因も考えていく必要があるとした。

元県水産試験場諏訪支場長の武居薫委員は、湖底付近の貧酸素の塊が「これまでに比べ規模が大きかった可能性はある」との見方を示した。その上で「湖底貧酸素は毎年起きていること。発生規模を把握できるようなデータがないのが問題」と、県の調査態勢に疑問を呈した。

有識者会議(専門家による検討の場)は、水草ヒシの異常繁茂や湖底貧酸素といった課題への対応を探るために設置。この日が初会合で、委員長には沖野外輝夫・信大名誉教授を選んだ。会議に同席した諏訪湖漁協の藤森貫治組合長は「専門的見地から貧酸素改善策を提案してほしい」と求めていた。

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