豚熱の県内拡大続く 野生イノシシ感染確認1年

LINEで送る
Pocket

県内で野生イノシシの豚熱(CSF)感染が昨年7月に判明してから1年が経過した。今月17日までに県内全域で計224頭の感染が確認され、現在も感染拡大が続く。上伊那地方では31頭の感染が判明し、感染個体が継続的に見つかっている状況という。県は、イノシシ用の経口ワクチン散布などの対策を進めているが、養豚場の近くにウイルスを持つ野生イノシシが生息する可能性から「現在も飼育豚への感染リスクがある」として警戒を続けている。

CSFは豚やイノシシ特有の伝染病で、養豚場の豚が感染した場合は飼育豚を全頭処分する。県家畜防疫対策室によると、養豚場での発生は感染イノシシに由来するウイルスが人や小動物、車などによって豚舎に持ち込まれるとされる。対策として飼育豚へのワクチン接種が行われているが、全ての豚に抗体ができるわけではなく、1頭でも感染すれば全頭処分しなければならないという。

県内では昨年7月12日の検査で、木曽郡木曽町で死んだ状態で見つかったイノシシから感染が初めて確認された。その後、感染は拡大し、今月17日時点で東北中南信の41市町村で計224頭の感染が確認されている。同室は「岐阜県や愛知県に近い県南部から、東北信地域まで徐々に拡大し、ほぼ全ての地域に広まっている」とする。

県は昨年7月から、経口ワクチンの散布を始めた。野生イノシシに食べさせて抗体を持たせるためで、2019年度には山林内に約3万5千個を散布。終息に必要とされているという野生イノシシの60%以上の抗体保有率を目指し、今年度も引き続き実施している。同室によると、野生イノシシの抗体保有率は昨夏ごろの検査では約20%だったが、今年度は40%以上までに上昇してきているという。

養豚場の対策では、有効なワクチンがないアフリカ豚熱(ASF)への対応も含め、防護柵設置や消毒などの防疫対策を進める。ウイルスを養豚場に持ち込ませないために同室の荒井一哉室長は「登山などでイノシシの生息区域に入った場合は、農場に近づかないことや消毒を徹底して」と求めている。

おすすめ情報

PAGE TOP