2020年8月3日付

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茅野市運動公園に生息するリスについて学ぶ永明小学校4年生のクラスが今夏、生息地の保全やマナーを守った観察を呼び掛ける手作り看板を園内に立てた。3年生の時から生態や公園での暮らしを学習し、観察会を重ねている▼7基のうちの一つが「(リスに)えさをあげないで」。児童たちはリスに餌を届けたいと考えたこともあったが、それは野生動物をかえって不幸にすると学びの中で知った。看板には「えさをあげると自分でえさを探せなくなる」とも記す▼随分前の話だが、野鳥の飛来地で餌を与えた経験がある。パンや菓子。自分が投げ入れた自然界にない食べ物を目がけて鳥たちが密集した。厳しい環境の中で生き抜くため、自らで餌を取る能力をつけなければならない野鳥に申し訳ないことをしていたと、記者の仕事に就いてから気付く▼希少野生動物ヤマネの研究者でもある自然写真家の西村豊さん=富士見町=が本紙への寄稿で餌付け問題に触れていた。食べ物が得られると分かれば動物はその場へ出向く。事故や外敵に遭う危険が増すほか、複数の動物が集まり伝染病にも感染しやすくなるとし、餌付けは野生動物を「苦しめる」と指摘していた▼安易な餌やりは「密」を生み、ウイルス感染症のリスクを高めかねない。コロナ禍のいまは、野生動物との共生や距離感を考える好機とも言えよう。一定の距離を保って観察を楽しみたい。

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