記録的な長雨 日照不足で農作物影響 上伊那

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6月から7月にかけて降り続いた記録的な長雨の影響で全国的に農作物の成長が悪く、野菜を中心に価格が高騰している。上伊那地方では畑に雨水がたまって土中の根菜類が腐り、露地野菜や果樹に病気が出るなど、各地で被害が多発した。県やJA上伊那は今後の対策に向けて被害状況の把握を急いでいる。

■平年上回る雨量

長野地方気象台によると、今年関東甲信越は6月11日頃に梅雨入り。7月上旬から中旬にかけて梅雨前線などの影響で県南部を中心に大雨が降った。7月3~14日の期間降水量は、宮田高原(宮田村)で596ミリ、飯島(飯島町)で504ミリ、杉島(伊那市長谷)で450ミリ、伊那(伊那市)で260ミリを記録。平年の雨量を軒並み上回った。7月下旬も雨が続き、深刻な日照不足になった。

■出荷量半分以下

JA上伊那営農経済部によると、穀物では一部の麦が雨で倒れたり、湿ったりして収穫できない被害に遭った。7月が収穫期の夏ソバも刈り取りができないでいる。ソバは新型コロナウイルスの影響を受けて業務用需要が減り、「生産者にはダブルパンチの痛手」(JA)という。今後種をまく秋ソバも圃場の準備ができない状況だ。

モモやブルベリーなどの果物は、日照不足による糖度不足の傾向。トウモロコシは風による茎の倒伏のほか、例年に比べて実が小さい。キュウリやズッキーニは着花数が少ないうえに病気が発生。「雨で消毒ができない状態」という。ナスやトマトの一部には根が腐った事例もある。

このうち、駒ケ根市の農家では露地物スイカの葉や実に小斑点ができる「炭疽病」や茎が枯れる病気が発生した。栽培する男性(82)は「糖度が規定に達せず、今年の出荷量は例年の半分以下になるだろう。栽培32年間で、こんな状況は初めてだ」と嘆いた。

JA上伊那は「天気の回復を待ちたいが、梅雨明けには高温による葉焼けなどが懸念される。病害虫は適期の防除を心掛けて」と呼び掛ける。

■野菜価格が高騰

7月の長雨を受けて野菜価格が高騰している。伊那地方卸売市場(伊那市)の丸伊伊那青果によると、根菜類や葉物野菜を中心に市場流通価格が高値の傾向。例年だと10キロ1800円前後のジャガイモ(茨城県、北海道産)が約5000円、茨城県産などのニンジンも今年は10キロ4000~5000円と高い。

県内産レタスも結球しない株や小ぶりな株が多く価格は高め。同社では「生産量を補うにしても天候不順で定植の準備ができないと聞く。野菜価格はしばらく高値が続きそう」と予測する。

一方、伊那市狐島のAコープ伊那中央店では「各地で雨が降り続いた結果、全国の産地から仕入れる野菜は高値傾向だが、多くの地元農家が出荷する直売コーナーの夏野菜は今のところ潤沢で、価格も落ち着いている」と話した。

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