2020年8月8日付

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「お年寄りが楽しみにしているおやつ作りはやってもいいですか」―。介護事業所を訪れた医師に事業所スタッフが尋ねた。新型コロナウイルスの感染防止へ日常の余暇活動をどこまで行ったらよいのか。医師は交流が少なくなり認知症が進む可能性があるとし、「感染対策を講じてやってもらえれば」と助言した▼民生委員が1人暮らしの高齢者に会う機会が減り、電話での対応が増えている―。行政担当者の声が小紙に紹介されていた。子や孫が帰省せず、地区行事も減る夏。医療や介護関係者は高齢者の介護度が重くなりかねないと警鐘を鳴らす▼感染症が流行する前の2月、高齢者を地域でどう支えるかを考えるセミナーがあった。講師の大学教員は今以上に濃い近所付き合いを望まない人が多いとする専門家の調査結果を紹介し「地縁に限定しないネットワークの大切さ」を指摘したのが印象に残った▼高齢者は不安を抱えながらも、気兼ねなどから周囲に支援を求めない人もいる。支える側もどこまで相手に踏み込んだらよいか迷う。そんな悩みを持つ人が少なくないという▼セミナー講師は高齢者の自宅訪問の機会があり得るライフライン事業者や新聞販売店などとの連携を例に、通常業務での「ついでのつながり」を勧めていた。時間や手間をかけない範囲での緩やかな見守り。コロナの影響が長引く中、お年寄りに接するヒントにしたい。

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