2020年8月11日付

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「八」は山の姿で、「11」はその山に立ち並ぶ木…。なるほど、そう見えないでもない。東京五輪開催のための祝日移動で今年は8月10日になったが、本来はきょうが「山の日」。2014年の改正祝日法で国民の祝日に制定され、16年から実施されてきた▼山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日―とされる。カレンダーの8月11日が赤く記されるようになり、固定日の祝日として定着しつつあったが、山の日をこの日とする必然性で弱かったのかもしれない。五輪延期で来年もまた祝日が動く▼夏の朝の伊那谷は、上からふたをされたように雲に覆われていることがある。山から見れば多分雲海になっているのだろう。日が差し始めると雲は次第に薄くなり、麓の街や田園地帯に夏の強い日差しが降ってくる▼深緑色をした中央アルプスも姿を見せてくれるのだが、今年はなかなか稜線まですっきりと見えてこない。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、県内では入山注意要請が出されている山域があり、山が遠く感じる信州の夏。稜線が見えない分、余計にそう感じさせる▼山のパノラマ写真をラベルの内側に巻き込んだ日本酒が好評という。写真撮影した「信濃錦」蔵元当主の宮島敏さんはそれらの写真を「電子巻物」として、インターネット上で公開している。この夏、帰省を見送る人たちにも古里の山の思い出が届いていることだろう。

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