旧旅籠「桔梗屋」観光拠点に 10月活用開始

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諏訪大社上社本宮東参道の御柱街道沿いにある桔梗屋。上社周辺のまちづくりや観光の拠点として活用される

諏訪市中洲神宮寺にある諏訪大社上社本宮周辺のまちづくりを住民主体で進める団体「上社周辺まちづくり協議会」が10月から、本宮東参道沿いに残る旧旅籠「桔梗屋」を拠点にした活動を開始する。まちづくりや観光の拠点施設として活用する考えで、9月にはインターネットを通じて事業資金を募るクラウドファンディング(CF)も始める。協議会は「いつ誰が来てもいいような拠点をつくりたい」と意気込んでいる。

上社周辺のまちづくりに向けては、市が工学院大学(東京)建築学部まちづくり学科の下田明宏研究室に依頼して2018、19年度に調査を実施。下田教授は今年3月、来訪者が長時間滞在して周辺を回遊できるように、伝統的な「表参道」である東参道に拠点施設を整備することなどを提案し、桔梗屋の可能性を高く評価していた。

同協議会によると、桔梗屋は1891(明治24)年築の木造2階建て。諏訪大社に参拝する勅使など要人が過ごした部屋をはじめ、2階には西洋建築様式を取り入れた96畳(約170平方メートル)の大広間がある。割烹旅館としてにぎわい、戦前は諏訪郡内の首長会議が開かれ、戦中は学童疎開を受け入れた。結婚式場や集会場としても利用されたが、1974(昭和49)年に閉店したという。

市役所のロビー展で金子市長(右)に今後の展望を語る協議会メンバーたち

協議会は、所有者から桔梗屋の建物を借りて▽誰でも立ち寄れるまちづくりの場▽前宮とのつながりの場▽上社・神宮寺の歴史遺産の紹介▽周辺歴史遺産の学習会▽地域主催のイベント▽神宮寺の地元呼称にちなんだJIGUJI(じぐじ)ブランド「温泉せっけん」「石清水」の紹介―に活用する考え。CFは150万円を目標に2カ月行い、寄付者への返礼品は神宮寺ゆかりの絵はがきや温泉せっけんなどを予定している。

市役所では11日、上社周辺のまちづくりを紹介するロビー展も始まった。工学院大の研究発表や18年12月に発足した協議会の活動、桔梗屋の模型、ドローンで撮影した上社周辺の映像に触れることができる。28日まで。

協議会の小島実会長(70)は「過去の町の歴史を知り、現在を見据え、未来に向かってまちづくりを進めていきたい。みんながいつでも立ち寄れる拠点をつくれたら」と語る。金子ゆかり市長は「思いのある人たちの活動に注目が集まり、交流とにぎわいが生まれ、まちの元気がつくられていく。上社周辺は大事な地域。市として協力していきたい」と述べた。

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