2020年8月13日付

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「インド人もびっくり」したかどうか分からないが、日本のカレーチェーン「CoCo壱番屋」がインドに 初出店し、好評を得ていると聞く。日本では世代を問わず愛されている国民食。本場で受け入れられたことを誇らしく感じる▼とはいえ、あくまでインド風日本料理。「これはこれでおいしい」という現地の声がすべてを物語っている。日本で例えるなら米国生まれの巻きずし「カリフォルニア・ロール」のようなものか。偽物ではないが別物として評価されたのだろう▼明治時代初頭、文明開化とともに英国から日本に伝えられたカレーライス。具材や調理方法も日本風にアレンジされ、急速に普及したという。敵性語の使用が禁止された戦時中も「辛味入り汁かけ飯」としてその味を継承、発展させてきた日本人のカレー愛に敬意を表したい▼子どもの頃、友達の家でごちそうになったカレーに違和感を覚えた記憶がある。「うちのカレーより薄くて具が大きい」。慣れ親しんだ味や食感を基準に、いつしか理想のカレー像が構築されていたようだ。カレーは母の味、その家の文化と言えるかもしれない▼コロナ禍の「おうちごはん」。わが家では月2、3回のペースでカレーを調理している。母譲りのとろみの強さが私流。お代わりする子どもの笑顔に手応えを感じる。カレーは父の味。子どもの味覚にそう刻まれれば父親冥利に尽きる。

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