里親制度普及へ啓発 諏訪児童が今年度独自事業

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県諏訪児童相談所(諏訪市)は今年度、里親制度の普及と市町村担当者や地域住民の理解向上を目指した啓発事業を行う。諏訪児相独自のリーフレットを作成し、里親世帯、事業者を地域で支える機運の醸成を図る。市町村職員向けの研修会を開くほか、制度の普及に向けて医療や法律の関係者も含めた検討会を設ける。地域振興局の裁量で執行できる地域振興推進費を活用する。

里親制度では、養子縁組によって法的に親子関係となる「養子縁組里親」のほかに、将来的には一緒に暮らしたいと希望する親に代わって一定期間養育する「養育里親」という受け入れ方もある。厚生労働省によると、国内には虐待は経済的な理由などの事情で家族と離れて暮らす子どもが約4万5000人いるとされる。このうち、約9割が児童養護施設など、残り約1割が里親や小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)で暮らしている。同相談所によると、管内である諏訪地方6市町村と伊那、伊北地域の4市町村には社会的養護の対象児童が約100人いるが、養育里親数は9組(諏訪地方は4組)となっている。里親や養子縁組が進まない背景には、制度の周知や理解不足があるという指摘もある。

里親同士が互いの苦労や工夫点を語らい、共有する場は受け入れを続ける上で精神的な支えになる。これまでに約20人の里子を受け入れてきたファミリーホーム「うずまきファミリー」の管理者、宇津孝子さん(60)=伊那市高遠町=は「子どもを助けたいという思いを持ち、理解を深めて里親となった人でも切羽詰まる時がある。乗り越えるには、里親仲間のネットワークと支え合いが必要」と話す。

地域によっては食料の提供などを通じて近隣住民が里親、里子の生活を支援しているケースもある。諏訪児相の森美奈子主任児童福祉専門員は「里親制度がより広く周知され、希望する人がより深く知ることができる社会づくりを目指しつつ、地域も温かな目で里親家庭を支えるような世の中になれば」と話している。

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