アツモリソウの「さや」採取 上農高生ら作業

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はさみで切り取ったアツモリソウの「さや」の状態を確認する上伊那農業高校の生徒

県のアツモリソウ保護回復事業に参画する上伊那農業高校(南箕輪村)の生徒らが18日、松本、上田、長和の3市町にまたがる美ケ原高原で、アツモリソウの採種を行った。絶滅の危機にあるアツモリソウの増殖のために美ケ原個体群の無菌培養苗を育成する5年目の取り組みで、今年6月の人工授粉で結実した株から「さや」を取り、学校に持ち帰った。

県自然保護課や中部森林管理局の職員が立ち会う中、バイテク班・生命探究科植物コースの2年生2人が実習を兼ねて現地で作業した。自生地では今年、24株のアツモリソウが確認されており、開花個体の人工授粉により結実した株の中から、状態の良さそうな3株を選んで「さや」を取った。大きく育った「さや」を指でつまみ、はさみを使って慎重に切り取った生徒は「持ってみると思っていたより硬かった。しっかり種が入っていそうな気がする」と感想を口にした。

アツモリソウは県の特別指定希少野生動植物に指定される保護の対象種で、乱獲やシカの食害、生育環境の悪化で個体数を減らしている。先輩らの成果を受け継ぎながら「幻の花」再生に挑戦する生徒は「先輩たちから話でしか聞いたことがなかったが、すごいことに関わらせてもらっているんだなと改めて思った」と気を引き締めていた。

持ち帰った「さや」は21日に校内の無菌室で種子を取り出し、無菌培養の培地にまく。指導する有賀美保子教諭は「実際に割ってみないと分からないが、大きく膨らんでいていい状態だと思う。成果が出るように頑張りたい」と話した。

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