2016年2月24日付

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ここ数年、冬のシーズン中に何度かはスキーに行くのが恒例になっている。出かける先は近場のスキー場がほとんど。見慣れたはずの場所でも雪化粧した景色は格別なものだし、その中を滑り降りる気分は爽快感にあふれる▼と書くと格好はいいけれど、いわゆる「下手の横好き」で、スキーの上達は牛歩のようだ。何年やっても思うように滑れず、嫌気が差すときも多い。それでもある日突然、今まで全くできなかった滑りができる進歩があるから不思議である。急な上達の前の停滞感は何だったのか▼「高原現象」と呼ぶそうだ。費やした時間を横軸に、習熟の度合いを縦軸にしてみると、人の上達を示す曲線は、決して滑らかな上昇を描かない。上達が止まる水平な高原をつくりながら階段状に上がっていく。物事を学ぶとき、伸び悩みはつきものということだろう▼本紙に昨春載った高校の卒業式での校長の式辞が記憶に残っている。「堅い樫の木よりも、しなやかな柳の木になれ」と。諦めない心の必要性を説いた言葉で、失敗しても自ら立ち上がる強さを養っていくことが大切―と記事中で解説されていた▼おそらく、学校での学びというのは、そういうことなのだと思う。卒業の季節が近い。いつまで続くか分からない踊り場でも、辛抱して続ければいつか階段を上がる日が来る。その喜びを知った上の巣立ちならこんなうれしいことはないだろう。

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