7月長雨と梅雨明け後の猛暑 農産物に影響

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原村のセロリ畑で連日行われている配管での水やり。長雨後の猛暑で生育に影響が出ている=原村中新田のセロリ畑

7月の長雨と梅雨明け後の猛暑の影響で諏訪地方の農産物の出荷に影響が出ている。特に夏の冷涼な気候を生かした栽培で国内有数の産地となっている八ケ岳山麓地域のセロリの生産農家は「こんなに悪い年はない」と悲鳴を上げる。生鮮食品を扱う小売店では品薄状態が続いて仕入れ価格が高騰し、店頭価格も上昇。諏訪市の小売店は「野菜は高値でも利益はない」と苦しむ一方、茅野市の3児母親(37)は「子どもたちは食べ盛りなのに高値の葉野菜は購入をためらう」とため息をつく。

JA信州諏訪営農部(茅野市)によると、生産に影響が出ているのは主に露地栽培の野菜や花。長引いた梅雨の影響で植物の根が弱っているところに梅雨が明け、厳しい暑さが続いたことが影響しており、病気の発生で出荷できなかったり品質が落ちたりしたという。畑が水に浸かり、定植が遅れた農家もある。稲作も長雨によるいもち病の影響が心配される。

「根がやられ、それが回復しないうちに暑さが来た。根さえしっかりしていれば耐えられたのに」。原村中新田のセロリ農家(67)の落胆ぶりは大きい。出荷量は例年の半分程度に落ち込んだ。品不足で取り引き価格は2倍程度に上がったが、気持ちは複雑だ。この農家によると、「セロリの適温は最高でも25度くらい」。原村でも30度が当たり前のようになっているといい、「夏場の栽培は休むことを考えないといけない時期かもしれない」と述べた。

■リンゴ「日焼け」

8月の猛暑はリンゴ栽培にも影響を与えている。高温や強い直射日光が原因で発生する「日焼け」現象が目立っているという。諏訪市渋崎のリンゴ農家笠原清一さん(63)の果樹園では発生がある程度抑えられているというが、「以前は日焼け対策を考えることさえなかったのに」と話した。

茅野市米沢でコシヒカリを栽培するコメ農家の吉田久明さん(77)=同=によると、長雨でいもち病の心配が募り、凶作も覚悟したが、梅雨明け以降は日照に恵まれ「持ち直してくれた」と8月の天候に感謝した。

■徐々に落ち着き

スーパーマーケット「ツルヤ上諏訪店」(諏訪市諏訪)では8月半ばまで仕入れ値が高く、葉野菜を中心に品質が低めのものも扱わざるを得なかった。「家計を直撃する生鮮食品はできる限り価格を抑える」方針で、野菜類は「売っても利益はほぼ出なかった」という。下旬になり、落ち着きを取り戻しつつある。

卸売り業の長野県連合青果諏訪支社(諏訪市湖南)でも入荷量が少ない状態が続いていたが、少しずつ解消されつつある。キャベツなどは一時、例年の2倍近い価格をつけたこともあった。

■直売所の良さを

農産物直売所でも出荷量は少なく、品薄状態が続いた。特に盆花は盆中に集められず、JA信州諏訪の直売所を管理する営農センター職員は「一番の需要期を逃した」と残念がる。直売所は出品する生産者が独自に値段を付ける。28日に同JA夢マーケット文出(諏訪市豊田)に出荷した岩波正幸さん(72)=諏訪市中洲=は「今年ほど野菜作りが難しい年はなかったが、ジャガイモなどは例年並みの価格にした。直売所の良さが消費者に伝われば」と話した。

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