2020年9月4日付

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18歳までの子ども専用電話「チャイルドラインすわ」が開設から15周年を迎えた。2011年の県の調査では7割超の子どもがチャイルドラインを知っていた。小学4年の長男に聞くと「知ってるよ」と電話番号カードを持ってきた。驚きの普及率である▼チャイルドラインはイギリスで誕生し、1998年に日本でも始まった。子どもは名前や学校を名乗る必要がない。受話器の向こう側にいる大人の顔も名前も分からない。心だけがつながる。だから安心して困っていることや、悩みを打ち明ける。高校生が多く、うれしかったことを語る子もいる▼気持ちを「聴く」のはボランティアの大人たちだ。全国に70団体。県内では長野、諏訪、上田、佐久の4団体が活動する。県は財政支援や全小中高校生へのカード配布などを担う。数少ない公民協働の成功例という▼チャイルドラインを取材していて「一年一組せんせいあのね」(鹿島和夫さん編)を読みたくなった。78、79年に神戸市の小学校に入学した児童の詩集・学級記録で、子どもには名前があり、担任の鹿島さんに本音をぶつける▼チャイルドラインすわを運営するNPO法人すわ子ども文化ステーションの宮野孝樹運営委員長は「本当はチャイルドラインがない社会が理想」と話す。身近な大人に「あのね」と言えない子どもがいる。大人に突き付けられた「信頼」への問いだと思う。

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