2020年9月9日付

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コロナ禍をいろいろな場面で都合良く使い、できないことの理由にしてはいないか―と反省させられた。熱意と工夫で文化祭をやり遂げた高校生たちの姿を見て、そう思った▼伊那市内にある四つの高校は先週末に文化祭や代替行事を行った。新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ見えてこない中で、日程短縮や内容変更を余儀なくされた生徒たちは、今できることを考えて生徒会最大の行事をつくり上げたと聞いた▼高遠高校は第60回の節目の兜陵祭だった。例年だと夏休み明けに組み込んでいた日程を今年から7月に変更し、昨年12月から準備を始めていたという。結局、開催は9月に。一般公開もなくなり、「地域とつながり、地域に貢献できる兜陵祭」を目指した生徒会執行部の構想もご破算になった▼新たに与えられた行事日程はわずか1日。感染症対策を施しながら何をどのように行うのか、生徒会と兜陵祭実行委員会は協力して考え、できることを探したそうだ。開祭式で校長から「君たちの第60回兜陵祭は歴史に残る」とエールを送られ、生徒たちは誇りに思ったことだろう▼例えば他部署からの提案や発想を、「それは無理」の一言で片付けてはいなかったか。経験が邪魔をして融通が利かなくなるものだが、こんなときだからこそ、「どうすればできるのか」を考えることが大切なんだということを、高校生たちから教わった気がする。

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