寄進の瓦に学校名 薬師寺から赤穂高へ返還

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薬師寺東塔で使用されていた、校名入りの瓦に見入る赤穂高校の生徒たち

駒ケ根市の赤穂高校に11日、薬師寺(奈良県)の国宝「東塔」で使用され、学校名が刻まれた「縁の瓦」が”里帰り”した。東塔などで昭和20年代に行われた部分修復工事の費用を、当時の生徒や教員らが寄進した証しとなる瓦。この日、お披露目式に立ち会った生徒たちは、戦後間もなく厳しい生活ながらも費用を工面した先輩たちの、文化財保護への熱意に思いをはせた。

信濃教育会が、7月に薬師寺から託された県内の学校名が入った「縁の瓦」57枚を、現在各校に返還中。2009年からの解体修復工事がほぼ完了した東塔に再び戻そうとしたが、屋根の形に合わないなどの理由で使用されなかったという。このうち上伊那地方の対象校は赤穂高、伊那市西箕輪小、駒ケ根市赤穂中の3校。11日に熊谷邦千加常務理事が各校に届けた。

赤穂高に戻った瓦は1枚。お披露目式で、熊谷常務理事が、生徒会役員3人や小原勇同窓会長、宮崎潤校長に手渡した。「上伊那郡赤穂髙等學校」などと記されていて、生徒らは興味深そうに見入った。重さ2・5キロの瓦を手にした生徒は「案外重い。瓦に触れた手の汚れに、歴史の深さを感じた」。熊谷常務理事から寄進の経緯を聞き、「先輩たちの文化財への思い入れの強さを感じた。若い世代で歴史をつくっていきたい」と力強く話した。瓦は校内に展示する予定だ。

1950年に、当時の奈良県国宝保存連盟が部分改修費の寄付を信濃教育会に依頼。同会の呼び掛けに応じた県内小中高校約300校が浄財を寄せ、瓦に校名が刻まれた。2009年からの解体修理工事に伴って校名入りの瓦約360枚が見つかり、割れるなどして再利用できない126枚は17年に県内の学校へ戻っている。

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