2020年9月15日付

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ITやネットの振興を政権の基軸に据え、「e-Japan戦略」を打ち出したのは2000年に発足した森喜朗内閣である。当時、国会演説などで「IT」「IT」と連呼していた森首相が「IC」と言い間違えたことがあった▼情報技術を意味する「IT」と集積回路と呼ばれる電子部品の「IC」。和製英語、和製頭文字の翻訳が一番苦労するというカナダ出身の翻訳家イアン・アーシーさんがコラムで森さんのこの間違えに触れ、〈こんがらがっちゃうのも無理はない〉と同情していた▼少し前には、サイバーセキュリティ担当という要のポストにありながら、「パソコン(PC)は使わない」など数々の”迷言”を残して去った大臣がいた。日本のIT戦略が不安視されるのも道理だが、フリーズしたPCとともに全身が硬直する筆者には笑えない▼新型スーパーコンピューター「富岳」が計算速度で世界一の座に返り咲いた明るい話題もあったなかで、コロナ禍で日本のデジタル化の遅れが顕在化した│との指摘が相次ぐ。「ハンコ文化」や「ファクス大国」が「デジタル後進国」の象徴のように語られもした▼自民党新総裁に選出された菅義偉氏は「デジタル庁」の創設を表明している。世界最先端のIT国家を目指した「e-Japan戦略」から20年。コロナ禍を奇貨として、ITやICがもっと身近になるデジタル社会は到来するだろうか。

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