2020年9月17日付

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一軒の宿に1週間ほどゆっくりとどまり、広い範囲の観光地を巡ったり、アウトドア体験を楽しんだりする長期滞在型観光を推進する県の戦略が決まった。新型コロナウイルス感染症の影響で、人混みを避けてのんびりする旅行スタイルが定着するとの予想だ▼結構なことだが、実現するには長期の休みを取ることができるような職場環境づくりの促進も国全体に呼び掛けていく必要があるだろうと考えながら資料を読んでいくと「リゾートテレワークの環境整備」にも着手するとの記述があり、旅行先にまで仕事が追い掛けて来るのかと想像して少々げんなりしてしまった▼完全に仕事を離れて休暇として長期間の滞在を楽しめる余裕のある人は、そう多くはないということだろうか。それはそれとして、余裕のある富裕層に県内でしっかりお金を落としてもらえるならありがたいことだが、翻って県外へそのような旅行に行ける長野県民がどれほどいるだろうか▼県教育委員会へ要望活動に訪れた諏訪地方の教育関係者が「新型コロナの広がりも絡み、家庭の貧困や児童虐待など心のケアを要する児童生徒が増えている」と訴えた先日の弊紙の記事が頭の片隅にあり、そんなことを思った▼「『稼ぐ』観光地域づくりへ」と戦略はうたう。であるなら、観光振興の効果が地域のすみずみにまで行き渡り、格差や貧困の解消につながるよう取り組む必要がある。

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