天竜川水系カワウ対策 各漁協など広域連携

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カワウがねぐらにしている樹木=諏訪市の上川

天竜川水系で食害による水産資源への影響が甚大な魚食性鳥類のカワウについて、県は18日、諏訪、上伊那、下伊那地方の漁業協同組合、猟友会と連携した組織「カワウ対策に関する連絡会議」を立ち上げた。岡谷市内で初会議を開き、これまで各地域の漁協が地元の猟友会や県地域振興局と連携して取り組んでいたカワウ対策について圏域の枠を超えた対応の必要性を確認。県の呼び掛けで各漁協などが連携する取り組みは初めて。

カワウ被害は近年、顕著になっており、諏訪東部漁協(茅野市)や天竜川漁協(伊那市)などによると、アユやアマゴなどを放流して水産資源の増殖を図っても食べられてしまい、遊漁に影響が出ている。天竜川漁協は「カワウの増加に伴い、魚は確実に減っている」と嘆き、諏訪東部漁協は「銃猟ができない中だが、でき得る方法で1羽でも多く駆除したい」と切実だ。

こうした中、下伊那漁業協同組合が中心となって今年2月に魚食性鳥類被害防止対策チームが発足した。諏訪東部や天竜川、浜松市側の漁協や猟友会、県地域振興局などが参加した。広域連携による漁業被害の防止への機運が高まる中、県園芸畜産課や鳥獣対策・ジビエ振興室はより効果的な被害抑制を図ろうと、連絡会議を立ち上げた。関係者間の情報共有や広域対策の調整などを行い、同チームの活動も支えていく。従来のカワウ対策は引き続き各漁協などに担ってもらいつつ、連絡会議内で互いの情報交換し、対策の改善に役立ててもらう。

広域連携は、カワウが圏域や県境を超えて行き来するため不可欠だ。例えば追い払い実施日が別々だと、カワウは実施地域を避けて一時的に他地域に移動し、別の日に移動先で追い払いがあると、再び戻って来てしまうため抜本的な解決にはならない。事前に情報を共有しておけば、カワウの動きに合わせた対策が取れ、気持ちの上でも余裕が持てる。3地域一斉の追い払いで逃げ場所をなくすなど新たな対策の可能性も出てくる。

会議に参加した国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所の坪井潤一主任研究員は「コロニー(集団繁殖地)がない諏訪地域は今後、絶対にコロニーを作らせないように」と述べた。上伊那地域は小さなねぐらが分散している状況があり、県水産試験場の下山諒技師は大規模なねぐらとして以前から確認されている吉瀬ダム(駒ケ根市)に個体を集約させた上で効率的に駆除する提案をした。全体的として個体数や営巣数の詳細な数を把握し、実態に即した対策を検討する必要性を確認した。

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