2020年9月21日付

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畑仕事の手を休めてくつろぐ男性や100歳のお祝いで笑顔を見せる女性。その豊かな表情に歳月を刻んだ年輪を感じさせる。モノクロだと一層引き立つのはなぜだろう▼おおむね75歳以上の人を被写体にして茅野市美術館で開かれている写真展「寿齢讃歌-人生のマエストロ-」は今年で15回目。青森や沖縄など県外を含め85点を展示している。コロナ禍で施設面会ができない時期もあってか例年より点数は少ないが力作が並ぶ▼発案したのは諏訪市出身の音楽写真家で5年前に亡くなった木之下晃さん。指揮者のカラヤンらクラシック音楽界の巨匠と親交を持ち、信頼関係を築いた上で独自の写真を撮り続けたことで知られる。高齢者を人生の巨匠(マエストロ)として敬意を表して企画した写真展は、美術館サポーターの支えで幅広い年代の人が応募する公募展として定着している▼「お年寄りの写真を撮ってほしいと願っているのは、時代を作ってきた大切な人たちの姿を残しておきたいと思うからです」。木之下さんは写真展の作品集の中で述べている。展示では毎年のように出品している人がいると聞く。15回も続けば立派なアルバムができそうだ▼県によると、100歳以上の人は15日現在で諏訪地方が175人、上伊那地方が141人。長寿化の傾向はまだ続きそうだ。見る人を和ませる「寿齢讃歌」も長寿写真展として歴史を重ねてほしい。

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