シジミ試験区変更へ 野鳥の営巣確認で配慮

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シジミの育つ諏訪湖を目指す実証実験で、県は9日、今年度の遠浅の砂浜(シジミ放流試験区)の造成箇所を、当初予定していた諏訪市渋崎沖から、同市湖岸通り5の中門川―衣之渡川間の沖に変更することを明らかにした。工事を担う県諏訪建設事務所によると、予定地周辺の水生植物帯で野鳥の営巣を確認し、生息環境や繁殖活動に配慮したという。造成規模は計画通り1万平方メートルにする。

日本野鳥の会諏訪支部によると、渋崎にはヨシやマコモ帯があり、県版レッドリストで絶滅危惧種に指定されるヨシゴイ、ササゴイが繁殖場所にしている。シジミの調査などで人間が周辺を行き来するようになると、「意図がなくても、結果的に鳥の生活を脅かす恐れがある」(林正敏支部長)という。

代替地は、旧東洋バルヴ諏訪工場跡地や諏訪赤十字病院の前あたりになる。野鳥への影響が少なく水辺にも近付きやすい場所である上、「かつてシジミが取れたという漁業者の話もあった」ことなどから選定。レジャー船業者を含む関係者と合意形成に向けた協議を重ねてきたという。

実証実験は昨年度開始。渋崎沖に2500平方メートルの遠浅の砂浜を造り、砂地と近くの泥地で放流シジミの生存率や成育状況を比較した。今年度は隣接地に砂質や形状の異なる試験区を増設し、成育状況が変わるかも検証する予定でいた。

諏訪湖は二つの大きな花火大会を控えており、本格的な造成工事は花火シーズンを終えてからになりそうだ。建設事務所は「場所の変更もあって試験区の形状については検討中だが、砂質は一定範囲ごとに変える方針でいる」としている。

林支部長は「(諏訪市)渋崎から豊田は、水辺の生物の豊かな湖畔を目指すとしてきた場所。県の判断はその設定趣旨に沿っており、非常に評価できる」と話している。

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