2020年9月24日付

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秋まきのパンジーとビオラが芽を出した。5本、10本とその数が増え、子葉の緑色がまぶしく見えるようになってきた。小さな種のどこにそんなエネルギーを蓄えていたのだろうか…。そんなことを思いながら、仕事に行き詰まると育苗している箱をのぞき込んでは植物の勢いに力をもらっている▼職場の玄関脇にある植栽スペースを花壇にしてみようと、社員有志で花の栽培に取り組んでいる。かつてはツツジが植えられていた場所だが枯れてしまい、あまりにも殺風景だったからだ。試しにまいたヒマワリがうまく育ち、楽しませてもらったものだから、今度はパンジーやビオラに挑戦している▼花には不思議な力があるような気がする。見る人の心を癒やし、気持ちを明るくするだけでなく、育てる人も幸せな気分にしてくれる。素人のヒマワリ栽培は手探りで、水やりも面倒だったが、一つ、また一つと咲くごとに苦労は吹き飛んだ▼花はまた、人を引き寄せ、人をつなぐ。庭先の花が目に留まり、手入れをしている夫婦に声を掛けたことがあった。秋まきの花の種をまいたばかりという奥さんは「来年は見られないかもしれないと思えば目に焼き付けておこうとするけれど、私は来年も見たいから自分で種をまく。だから頑張れる」と笑っていた▼花は生きる力になっているのだろう。何の種をまいたのかを尋ねると、「忘れな草よ」と教えてくれた。

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