2020年9月26日付

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国内でも有数のワイン産地として知られる長野県。今年も醸造用のブドウがたわわに実り、収穫の時期を迎えている。小紙の紙面でも収穫作業やワイン造りに関する記事を目にするようになり、秋の訪れを実感する▼原村では国の「ワイン特区」申請に向けた準備が進められている。認定を受ければ酒造免許取得の条件となるワイン製造量の基準が緩和され、小規模ワイナリーの設置も可能になる。近年、純国産の「日本ワイン」が注目を集める中、地域活性化の起爆剤として期待は大きい▼「ワイン造りが夢」。移住情報サイトを閲覧していると、そんな移住者の体験談を見掛ける。栽培から醸造まで。ワイン好きには究極の夢かもしれない。たとえ新規就農者の約3割が離農する厳しい現実があったとしても、農業に夢を語ることができる状況を歓迎したい▼「障がい者が自立した生活をするために働ける場所をつくりたい」。岡谷市川岸中の三澤智行さん(58)は自ら栽培したブドウでワイン造りに取り組んでいる。介護タクシー業を営む傍ら、2013年にたった1人で始めたブドウ栽培。醸造は4年目となる▼今年も伊那市のワイナリーで委託醸造したワインが完成した。「味や香り、色に深みがある」と仕上がりに納得の表情を浮かべる三澤さん。夢の実現に向け、真摯に取り組む生産者の情熱が新酒の味わいに深みを与えているようにも感じた。

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