2020年10月2日付

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今夏は酷暑が続いた。幼い頃から川で遊ばせた高校生の長女が夏休みのある日、「友達と川へ行きたい」という。彼女を含め女子4人を連れて近くの渓流へ向かった。長女は膝上まである水量を気にせずに上流へと歩んだが、他の3人は水量と滑りやすい石に行く手を阻まれ、「きゃーきゃー」と悲鳴をあげた。川で遊んだ経験の少なさが分かった▼最近の水辺の事故では成人の溺死が目立つ。報道では原因が分からない事案も少なくない。例えば、スキーは子どもの頃に技術を身に付けると、体が感覚を忘れずに年をとっても滑ることができる。しかし、こつを習得していなければ、いつまでも滑れない▼これと同じで川で泳いだ経験のない人が川へ入れば、危険回避の感覚を身に付けていないのだから大人でも容易に溺れる。親は子に「川は危ない」と言うだけでなく、少しずつ川に触れさせておく経験が、成人になったわが子を助けることになる▼現場の状況にもよるが、危険だからと言って安易に水辺を立ち入り禁止にする措置は体験の機会を奪い、次の犠牲者を生みかねない▼一例だが、川で溺れそうになったら流れに身を任せて下流へ下りながら次第に岸へ近寄る。指が掛からないコンクリート三面護岸の川では泳がない。湖では深場の低水温による足のけいれんに注意する。大人という過信は禁物。ライフジャケットを着て泳いでも十分楽しい。

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