2020年10月3日付

LINEで送る
Pocket

このところの行政と市民の議論は盛り上がりに欠ける。コロナ禍への対応を差し引いてみてもそう感じる。政策の企画立案に市民が立ち会う場面はあるが、行政の用意したたたき台が結論になることは珍しくない▼21世紀は地方分権の時代と言われ、20年前は「地域主権」や「住民自治」といった言葉が飛び交った。茅野市の「パートーシップのまちづくり」は各分野で市民主導、行政支援を徹底し、公民協働で確立した地域福祉の仕組みは国が提唱する地域包括ケアシステムのモデルになった▼まちの理想像を熱く語り、時には行政に提案し、地域の発展と課題の解決に向けて自ら行動する市民がいた。行政も市民の声に耳を傾け、公開の場で議論を尽くす。たとえ意見が対立しても、お互いの郷土愛を尊重し合っていたように思う▼諏訪市の田中健一さん(74)は行政と一緒に環境問題に打ち込んできた。第一線を退いてからずいぶんたつが、同市が来年4月に導入する家庭系「燃やすごみ」の有料化には一家言を持つ。市民が本気に行動すれば今でもごみの減量や資源化はできる。田中さんはそう確信している▼「燃やすごみ」という呼称は諏訪市民が提案したという。資源を燃やす自分がいる。その認識が行動を変え、まちを変える。最近は市民も行政に任せきりになっていないか。市民の力が衰えると、まちは金太郎あめのようになってしまう。

おすすめ情報

PAGE TOP