2020年10月4日付

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大掃除は10月から―。何とも違和感を覚える響きだが、慌ただしい年末を避けて早めに取り掛かる人が増えているという。計画的に作業をすると、数カ月後には家中がきれいになり実を結ぶ。現代生活の新しいモデルになっていくかもしれない▼「秋掃除」と呼ぶのだそうだ。秋は年末に比べ時間を確保できるほか、気候的に体を動かしやすく作業がはかどる。手足が凍えるつらさが減り、窓拭きの際に悩まされる結露も少ないとくれば、なるほど良いことずくめである▼手引き書によると、作業を週1回ペースにして負担を軽くしたり、火曜日は台所の火回り、水曜日は水回りと場所を決めたりするなど、無理をせずに達成可能な目標を設けるのがこつ。やるのは自分、続けるのも自分。納得して動くために工夫を凝らせばいい▼大掃除の起源は諸説あれど、平安時代に宮中で行ったすす払いにまでさかのぼる。住まいの汚れを取り除いて新年を迎える感謝の心のありようは、1000年以上を経て受け継がれた尊い文化だ。秋掃除が示す緩やかな変化を受け入れつつも、根幹にある美徳の精神を後世へしっかりと伝えていきたい▼今年も残すところ3カ月となった。いつも大掃除を完結できないのを多忙のせいにしてきたわが家にとって、こつこつ積み重ねる生活習慣への憧れを実行へ移すチャンスが到来した。気負わずに、秋掃除を始めることにしよう。

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