GoTo東京追加 上伊那も客数増加

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伊那市の小黒川渓谷キャンプ場に宿泊した後、農業公園みはらしファームでスムージーの手作り体験を楽しんだ名古屋市の家族連れ=4日

国の観光支援策「Go To トラベル」事業は、今月から補助対象を除外していた東京都を発着とする旅行が解禁された。上伊那各地の観光地や観光施設でも割引制度を利用した観光客が次第に増え始めている。上伊那では公共交通より自家用車を利用して移動し、屋内の観光施設よりも山岳地などの自然を求めて訪れる県外客が目立つ。今春以降、新型コロナウイルス感染対策による移動自粛で経営面に大きな打撃を受けた観光事業者は「秋の行楽シーズンには、ある程度の回復を期待したい」と願っている。

■人混み避け自然求める

伊那市の農業公園みはらしファームの駐車場には2日、群馬や野田など関東方面のナンバーを付けた車が並んだ。妻と訪れた東京都八王子市の男性会社員(47)は「人混みを避け自然の多い場所に来たかった。長野は空気がおいしい」と笑顔。Go To割引の利用は考えていなかったが、予約した昼神温泉郷(下伊那郡阿智村)の旅館が該当し「うれしかった」という。

南箕輪村の宿泊施設「大芝荘」の唐澤良平支配人によると、土、日曜日はコテージが予約でいっぱいになる。「Go Toがあるから来るという人もいる。宿泊してくれてとてもありがたい」と話す。ただ、1日から始まった旅行代金の15%相当を付与する地域共通クーポンは、配布用クーポンや必要なスタンプが届いていないのに制度が始まり、対応に苦慮したという。

■宿泊施設は連日の満室

駒ケ根観光協会(駒ケ根市)によると、今月は駒ケ根高原の各宿泊施設で平日でも予約が埋まってきているという。

同高原の「ホテルやまぶき」も今週、来週と連日満室の状態。7月にGo Toが始まって以降、月を経るごとに客数は回復している。宇佐美誠社長は「特に9月の4連休が契機になった」と語り、「紅葉で例年この時期は繁忙期だが、今年は3密を避ける形で山岳観光を目的にしたお客さまが例年に比べて特に多い」と続けた。東京が割引対象になったことについては「東京からのお客さまも十分に配慮して利用してくれている。今までと同様に対策して迎えるだけ。ただGo Toが一段落したあとの客足に不安はある」とした。

■クーポンでプラス効果

従来Go Toの恩恵を受けてきた宿泊施設に加え、地域共通クーポン券の配布が始まったことで、同高原周辺の観光施設でも販売増を期待する声が高まっている。

名刹・光前寺近くの土産物店「信州苑光前寺店」では2日、クーポン券を利用する団体客の姿がみられた。「ようやく客足が戻ってきたところでもあり、プラスの効果を見込んでいる」と中村康裕店長。「東京追加で感染の不安は確かにあるが、店を存続させるためにも多くのお客さまに来てもらい売り上げていかないと」と話した。

中央アルプス駒ケ岳ロープウェイの乗車にもクーポンは利用できる。乗車制限しているため1日当たりの利用者は2000人と例年の6割ほどだが、運行する中央アルプス観光の担当者はGo Toの拡大に「それなりの効果があるのでは」と見通す。

■バス利用の増加も期待

旅行者は感染症対策として自家用車で移動する傾向が強い。高速バスを運行する伊那バス(伊那市)によると、9月下旬の3連休では中央道が行楽客の自家用車で渋滞し、折り返し運転を計画した高速バス車両が帰路の時間に間に合わない状況が生じた。同社管理部の福澤信義部長は「観光客の増加は良い兆し。今後バスの利用が増えることに期待したい」と話した。

旅行代理店も少しずつ動きが出始めている。伊那バス観光(同市)の田中儀一専務によると、Go To制度や地域共通クーポンの割り引きを利用した高い料金の宿泊施設に泊まる傾向があるという。田中専務は「宿泊施設もコロナ対策に力を入れている。割引制度がある今は旅行をするのにいい機会。何でも相談してほしい」と呼び掛けた。

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