血管縫合トレーニングキット スワニーが開発

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「血管縫合剥離トレーニングキット」を発表するスワニーの橋爪良博社長(左から2人目)ら

製品設計のスワニー(伊那市)は6日、寒天メーカーの伊那食品工業(同)と連携し「血管縫合剥離トレーニングキット」を開発し、12日から販売を始めると発表した。伊那中央病院(同)の監修のもと、スワニーが持つ3Dプリンターの技術と伊那食品工業の可食性フィルムを組み合わせ、生体に近い血管モデルを再現した。複雑で繊細な手技が必要とされる血管縫合のトレーニングを手軽に行うことができ、医師の技術向上に役立てることできる。

キットに含まれる血管モデルは3Dプリンター専用材料のアクリル系光硬化樹脂で製作。実際の血管のような弾力性や質感を実現した。直径が10ミリと8ミリの2タイプで、それぞれ血管の壁の厚さが0.6ミリ、0.8ミリ、1ミリの3タイプがあり、さまざまな条件で血管縫合のトレーニングを行うことができる。

さらに、天然素材を原料とする伊那食品工業の可食性フィルムを使うことで、血管の表面を覆っている薄い被膜(血管鞘)を再現。キットに同封しており、少量の水にぬらして巻き付けるだけ。血管周辺組織の剥離など細かいトレーニングも可能とした。

この日はスワニーの橋爪良博社長、伊那食品工業の柴克宏開発本部長、伊那中央病院の本郷一博院長、白鳥孝市長が同病院で記者会見。橋爪社長は「医工連携の中で開発できた。今後も改善を重ね、世界に向けた製品にしていきたい」と力を込めた。

同病院医師による実演も行われ、手と内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った血管縫合のトレーニングを披露した。髙砂敬一郎呼吸器外科部長は「現在は豚の臓器を使っているが、動物愛護の高まりや費用が高いことが課題だった」と指摘し、血管モデルについて「実際の生体に近い感触。トレーニングに役立つ」と評価した。

キットは直径が10ミリと8ミリの2種類。長さは15センチ。それぞれ血管の壁の厚さが異なる3本と可食性フィルム3枚のセットで、価格は1万8500円(税抜き)。スワニーと丸紅情報システムズが販売窓口となる。売り上げの一部は医師確保や人材教育のための支援金としてスワニーから寄付されるという。

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