2020年10月9日付

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警察庁によると、2019年に児童虐待の被害に遭った18歳未満の子どもは全国で1991人。生命の危険などの判断で警察が緊急保護した子どもは5553人に上る。ともに過去最多という。死亡した子どもは、「無理心中」と「出産直後」を除いて25人だった▼虐待が疑われるとして、警察が児童相談所に通告した子どもの数は9万8222人。厚生労働省のまとめだと、18年度に全国の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は約16万件。こちらも、ともにそれまでの最多だった。社会的な関心の高まりで通報が増えたことや警察が積極的に対応していることが増加の要因らしいが、深刻な社会問題であることには違いない▼虐待していた側に対して同情の余地がないような悲惨なケースも中にはあるけれど、虐待してしまう人を責めていても解決は遠のくばかりだ。虐待の多くは外から閉ざされた家庭の中で起きる▼虐待につながる可能性があると想像される子育ての悩み、いらいらなどを周りに気軽に話せ、軽減できる環境づくりが何よりだと思う。心の内を周囲の支援で開くことができれば、精神的に解放されるのではないだろうか▼虐待された子どもが親になって、今度は自分が子どもを虐待してしまう「虐待の連鎖」が言われる。そうだとしたら、虐待する人も被害者と言え、虐待を防ぐことで、その人をも救うことになるかもしれない。

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