新鶏舎でAWの飼育 八ケ岳農業実践大学校

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とまり木(左)や巣箱を設置した新鶏舎内を自由に動くニワトリ

八ケ岳中央農業実践大学校(原村)は9月初旬から、ニワトリを放牧しながら飼育する「平飼い」を始めた。同校が昨年度から本格的に取り組むアニマルウェルフェア(AW、動物福祉)に基づく飼育方法の一環。これまでのケージ飼いをやめ、元食堂を改修した新鶏舎にニワトリ約950羽を移した。来春から本格的にニワトリの健康面などのデータを収集し、来年度中にはAWの評価方法と飼育方法を確立し、畜産農家への普及を目指す。

AWは、家畜を快適な環境下で飼養することで家畜のストレスや疾病を減らし、結果として生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながるとする考え方。同校では、酪農、採卵鶏、養豚の3分野で研究を進めている。

新鶏舎は計約300平方メートル。半分(150平方メートル)を平飼いスペースとし、日光の当たるテラス(約45平方メートル)も新設した。内部には巣箱や止まり木を設置したほか、テラスと自由に行き来できる出入り口を設け、日光浴もできるようにした。雄を45羽入れ、有精卵を生産していく。

ニワトリが環境に慣れたら、テラスの出入り口から柵で囲った放牧地約1000平方メートルに放つ予定。ニワトリの原種はアジアのジャングルにいたことから、木々を残した環境にした。ニワトリは虫や草なども食べるといい、一日に2万回行う「つつき」の欲求も放牧により満たせるという。

新鶏舎のもう半分のスペースには、巣箱や止まり木などが内部に設置された「エンリッチドケージ」を24箱配置する計画。各ケージに20羽入れ、480羽を飼育。欧州製で、10月末ごろに導入予定だ。ドイツ製のトレーラー型の移動式鶏舎も導入し、牧草地を移動しながら450羽ほどを放牧する飼育方法も計画している。導入は来春になる見込み。三つの飼育方法を科学的データに基づいて比較する。

同大学校畜産部長の佐藤衆介さん(70)=東北大名誉教授=によると、AW研究は欧米が格段に進んでおり、日本ではまだ普及が進んでいないという。「アニマルウェルフェアの評価基準や飼育施設、管理方法を確立し、日本でも認証に基づいた販売を普及させたい」と話した。

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