2020年10月15日付

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茅野市と佐久穂町境の麦草峠。紅葉期の白駒池を久しぶりに訪れたが、人と車の多さに驚いた。紅葉前線は山から次第に里へ。諏訪も上伊那も標高差が大きく、紅葉を長く楽しめるのがうれしい▼白駒池の色づき状況を見て「平年並みか早め」と印象を持ったが、地元観光協会によれば、例年より遅れたようだ。民間気象会社の予想でも、関東甲信地方は「平年並みか遅め」である。自分の感覚は「ここ数年に比べれば早い」と修正が必要なのだろう▼県環境保全研究所が以前、気候変動に関する調査で信州の生物季節を取り上げた。1990年以降、桜の開花が早まる一方、楓の紅葉は遅れ、飯田では平年より10~20日も遅い年が出てきていた。残暑が厳しくなり、紅葉が始まる気温になかなか達しない。身近な異変の一つだ▼季節の生菓子が店頭を彩る和菓子店では、ひと足早く秋が深まっていく。和菓子は季節を「先取り」するのが基本。楓の葉などをかたどった菓子は、周囲の景色より早く赤、黄、橙に色づき、やがて雪に見立てた粉砂糖がかかる▼ある店主は、生物季節が狂い、生菓子づくりの頃合いを見計らうのに苦労しているとしながら「四季の移ろいを感じて、季節の菓子を楽しむ文化は残ってほしい」と願っていた。諏訪と上伊那は和菓子の老舗、名店、確かな技と豊かな感性を持つ職人ぞろい。各店を巡って五感で楽しむ秋も、いとをかし。

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