淡水魚の生態に迫る 放送大学公開講演会

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淡水魚の生態学を学んだ放送大学長野学習センターの公開講演会

放送大学長野学習センター(諏訪市)は17日、今年度初めての公開講演会をJR上諏訪駅前のアーク諏訪にある同センター学習室で開いた。放送大学客員教員の高田啓介さんが「DNAで読み解く『侵略の生態学』~淡水魚の雑種形成と生き残り戦略」と題し講演。一般市民約20人が聴講した。

高田さんは愛媛大学卒、北海道大大学院水産学研究科博士後期課程修了。信大理学部特任准教授などを務め、2019年から同センターに勤務している。

講演で高田さんは、長野市の湖沼に生息する在来種のシナイモツゴと外来種のモツゴの生態を解説。両方の特徴を持つ個体を見付け、DNA解析で交配種だと分かり、両種の生息数の変化に注目した。交配種は生殖組織の不完全で子孫を残せないため、在来種のシナイモツゴが減少。要因として「シナイモツゴの雄が外来種よりも生物的に弱いのでは」と推察した。

上高地周辺のイワナ(在来種)、カワマス(外来種)、ブラウントラウト(同)の生息・繁殖状況にも触れ、「3種の 特徴を持った交雑種もおり、一見純粋なイワナの中にもDNA解析で交雑種の遺伝子を見つけた」と報告。交雑により遺伝子汚染が起き、イワナ上流域に追いやられている―としながら、「雑種の形成は生き残りをかけた手段で、生物の本質ともいえる自己維持と自己複製そのもの。共存にもつながるし、相手を滅ぼしもする」とまとめた。

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