2020年10月22日付

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人や物の移動の高速化、グローバル化に伴う地球規模の感染症の広がりは現代社会が抱える課題の一つだろう。人類と感染症の関わりは古い。エジプトのミイラから天然痘に感染した痕が確認されたことはよく知られている▼人類はワクチンの開発や抗生物質の発見によって感染症を克服し、1980年にはWHOが天然痘の根絶を宣言した。しかし、それと入れ替わるように新たな感染症が出現しており、「新興感染症」と呼ばれる。この30年ほどで少なくとも30の感染症が確認されているといわれる▼現在猛威を振るう新型コロナウイルスによる死者は全世界で100万人を超えたという。途方もない数字をどう受け止めればいいのか。検査態勢の拡充や治療法の向上により死亡率は低下傾向といわれているが、欧州では感染者が急増し、主要都市で夜間外出禁止令が出される事態となっている▼日本でも社会経済活動の再開に伴う感染の再拡大や季節性インフルエンザとの同時流行が懸念されている。ワクチンや治療薬の開発に期待しつつ、感染防止に取り組んでいくしかない▼徐々に治療法は確立していくだろうが、少し気掛かりなこともある。後遺症とみられる症状である。倦怠感、息苦しさ、胸の痛み、せき、嗅覚障害などが報告されているという。まだまだ分からないことが多いウイルスである。「予防に勝る治療はない」と改めて肝に銘じたい。

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