小渋ダム土砂バイパストンネル 来月に完成へ

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9月末に完成する小渋ダム土砂バイパストンネルの呑口付近=大鹿村

9月末に完成する小渋ダム土砂バイパストンネルの呑口付近=大鹿村

国土交通省天竜川ダム統合管理事務所(中川村)の直轄事業で、小渋ダム(同村)への土砂流入を抑制する目的の「土砂バイパストンネル」は9月末に全工事が終了し完成する。大雨による増水など使用条件が整った10月以降に試験運用を始める一方、2018年度までトンネルの放水がもたらす影響についてモニタリングを実施し、適切な施設運用に役立てる。11月頃をめどに施設の完成式を行う。

土砂バイパストンネルは、洪水などの際に上流の小渋川から流入する土砂や微粒子の泥を含んだ水を、ダムの貯水域を通さずダム堰堤下流へと迂回して放水する。土砂流入を軽減し、ダム機能を長寿命化させる。

トンネルは2000年度に事業化後、09年度からダム東側で掘削を始めた。延長は4キロ、高さ7・2メートル、底幅約6・5メートルの馬蹄型で、毎秒370立方メートルを通水できる。底面は50分の1の勾配を付けて土砂を含んだ水が流れやすいように設計。石による摩耗を考慮し、「通常の約2倍の強度があるコンクリートを使った」(同事務所)。

取水口になる呑口は下伊那郡大鹿村、下流の吐口は同松川町にある。呑口付近には流木などのごみを避ける「流木ハネ」を設置。さらに付近の小渋川には「分派堰」と呼ばれる水をトンネルへ導く構造物などもある。総事業費は143億8000万円。

完成後は10月上旬までの台風による増水に備えて水位を低く抑える期間を経て、その後の増水時に試験運用を始める見込み。同事務所は「運用は天候次第」とする。同時にトンネルゲートを開けるタイミングや実際に水を流した場合の状況、下流域にすむ生物への影響などを把握するモニタリングを続ける。

同事務所では「1982、83年をはじめとする洪水でダムには多量の土砂が流入した。上流の貯砂ダムに堆積した土砂を取り除く対応もしてきたが、このままではダム機能が維持できない恐れもあり、バイパストンネルを掘った。モニタリング等のデータを基に施設を有効活用したい」としている。

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