諏訪6市町村首長 すべて無投票

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10日に告示された下諏訪町長選は、1974年以来46年ぶりの無投票となった。諏訪地方では2017年8月の富士見町長選から首長選の無投票が続き、諏訪6市町村すべての首長が無投票で選ばれたことになる。有権者が選挙に参加できる権利を行使できない状況が生まれ、政治離れを招くことも危惧されている。同日程で行われた下諏訪町議補選に至っては、立候補者が告示前日まで現れない事態となり、地方議員のなり手不足が表面化した。

総務省によると、2019年の統一地方選 で実施された全国86市長選で27市(31.4%)が無投票、121町村長選では55町村(45.5%)が無投票だったという。地方議員選挙では294市議選のうち11市議選が、375町村議選では93町村議選が無投票となり、うち8町村議選で定数割れが起きたという。

今回の下諏訪町長選の無投票は、コロナ禍であることが要因の一つとされ、地域経済が疲弊するなか、積極的に町政運営を買って出る人が現れなかったとの見方がある。しかし諏訪地域の他市町村が無投票になっているのはなぜなのか。背景には政治への関心の薄れ、人材不足があると指摘する声がある。

無投票で初当選を果たした宮坂氏は「選挙は投票で選ばれるのが基本。無投票で選ばれると信任が得られたかどうか自身に基準が持てない。有権者が選ぶ機会がなかったことをしっかり肝に銘じていかなければならない」と話す。

一方、地方議員のなり手不足はさらに深刻。その要因の一つには、地方議員、特に町村議員の報酬の低さにあるとの指摘も。全国的に町村議会議員の月額報酬は一般企業の初任給レベル。さらに選挙があるごとに落選して無収入になる恐れもあり、子育て世代や働き盛りの人が、報酬面だけでみるとなりたがらないのも道理。岡谷市議会の渡辺太郎議長は「議員が仕事という位置づけになっていない。就業としての位置づけにしていくべき。就業であるなら生活できるだけの報酬が必要」と指摘する。

下諏訪町議会の金井敬子議長は「町長選が無投票だったのは率直に残念」とし、「町長選にしても町議選にしても住民の政治への期待が低くなっていることが無投票につながっているのかもしれない」と指摘。町議のなり手不足については「議員報酬の低さが要因の一つなのは確か。町議がどのような仕事をしているか町民に知ってもらう努力が必要」と語った。

無投票当選や議員のなり手不足は、選挙権を有するすべての人に突き付けられている問題。「これから地方政治をどう成り立たせていくか」を考える時期にきている。

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