数学者小平邦彦さん 諏訪地方との関わり本に

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出版した書籍を手にする宮坂さん

出版した書籍を手にする宮坂さん

茅野市名誉市民で数学者の小平邦彦さん(1915~97年)と諏訪地方との関わりや名誉市民になった理由などをまとめた書籍「茅野市名誉市民 数学者・小平邦彦氏のこと」を諏訪市四賀細久保の宮坂勝一さんが発行した。「諏訪地方とゆかりのある人なので、再度小平氏のことを思い出し、また、若い人は新しく知るきっかけになれば」と願っている。

小平さんは茅野市出身の父権一さんの長男として、東京都で生まれ、1954年には数学界で優れた業績を残した人に贈られるフィールズ賞を受賞した。戦時中に諏訪地方に疎開したほか、長男和彦さんが病にかかり、諏訪市内の病院に入院中、病室の机でフィールズ賞につながる論文を書き上げるなど諏訪地方にゆかりが深い。88年、数学者としての多大な業績を残し、茅野市の名誉市民になった。

宮坂さんは学生時代に「小平数学」のセミナーに参加したことがある。2015年に小平さんの生誕100年、18年には名誉市民になって丸30年を迎えることから、この節目の時期に本を出すことを決意したという。「読者に安心して読んでもらえるように」と、小平さんに関する出版物の引用を中心にまとめた。

東京大学助教授を務めていた小平さんが週末になると長男が入院している上諏訪の日赤病院に東京から毎週足を運び、わが子を心配しながらも論文の執筆していたことなどを紹介。妻セツ子さんの献身的な支え、名誉市民授与式に先立って米沢小学校と永明中学校で開かれた講演会についても記した。

小平さんが名誉市民を受託した理由について「受託することで講演ができ、21世紀を背負う子どもたちに生の声を伝えることができる」「茅野市に眠る長男和彦さんとしっかりとつながっていたかったから」などと考察した。

A5判、104ページ。150部作った。非売品で諏訪地方の公立図書館や高校などに寄贈するという。

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