2020年11月14日付

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横書きの文書の中に読点として「、」(テン)ではなく「,」(コンマ)が使われているのを時々見掛ける。これで句点も「.」(ピリオド)なら統一感があるが、「。」(マル)のこともあるので少し不思議だ▼普段「、」「。」しか使わないと気付きにくいが、パソコンで日本語を入力する際に使われるソフトウエアでは、句読点をどれで統一するのか選ぶことができるようになっている。法律家の作る文書や横書きの論文では「、」ではなく「,」が使われるからだ▼文化審議会国語課題小委員会が先月、公用文の作成要領を見直す中間報告案をまとめて、読点は「、」を原則とし、横書きでは「,」を用いてもよいとする考えを示した。横書きの公用文でも「、」が多く使われている実態や社会一般の日本語表記を反映したという▼日本語文章における句読点の変遷に触れている紙幅はないが、現在のような「、」「。」の使い方をするようになったのは明治中ごろからで、意外と歴史は新しい。細かい表記の違いではあるが、伝えたいことが読み手に理解されるようにと試行錯誤が続いてきたのだ▼報告案は「読み手となる人々は、かつては想定されなかったほどに多様化している」ことを指摘し、配慮を促している。試行錯誤は今後も続く。もしかしたら100年後には「、」「。」がなくなって、まったく新しい記号が使われているかもしれない。

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