「木の実会」故人にささぐ10年ぶり句集刊行

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句集を手にする松倉秀雄前会長(右)と小口照文会長

下諏訪町高木の俳句グループ「木の実会」が、句集「木の実」を10年ぶりに刊行した。長野日報などに掲載された1886句が収められた第5集は、同会を長年けん引し今年9月に93歳で亡くなった元下諏訪町教育長の長崎昭治さんにささげた。小口照文会長(72)は「伝統ある木の実会を地道ではあるが積み重ねていきたい」と話している。

眼下に諏訪湖を望む高木地区は、歌人の島木赤彦や俳人の岩本木外、関紫竹らを輩出した文人ゆかりの里。同会は1957年、戦地で俳句を学んだ松倉利一を中心に青年たちが戦後の文化復興を願って発足。翌58年には第1回岩本木外忌を営み、遺族をはじめ小平雪人、小口白湖、木村蕪城ら諏訪を代表する俳人を招いて先人の業績をしのんだ。

句集は会員全員の「合同句集」として、84年に手書きの第1集を発行。2000年の第2集、07年の第3集、10年の第4集はいずれも長崎さんがパソコンを駆使して編集した。第5集は、会員延べ13人が毎月の句会に投句した10句の中から2句を選び、長野日報など2紙に掲載された作品を月ごとに紹介した。

会員が70~80代と高齢化する中、今回は年初から刊行準備を始め、段ボール1箱分の原稿から手分けをして掲載作品を入力。データを印刷会社に送り、3回の校正作業を経て仕上げた。11月4日には長崎さんの仏前に句集を供え、会員一人ひとりの追悼句を朗読したという。

新型コロナウイルスの影響で半年間休止した公民館で開く句会は、10月31日に再開するまで新聞社に会員の作品を送って「紙上句会」を開き、それぞれ創作活動を続けてきた。さらに、8月18日には長年途絶えていた「木外忌」も復活開催したという。

前会長の松倉秀雄さん(78)は「句集には10年間の思い出が入っている。一つの区切りになります」と感慨深げ。小口会長は「長崎さんが元気なうちに句集を出せなかったのが残念ですが、みんなで批評し合い、お酒を飲まなくても本音でやりとりできるのが俳句の良さ。これからも伝統を積み重ねていきたい」と話していた。

句集はA5判237ページ。100部作った。問い合わせは小口会長(電話0266・26・1656)へ。

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